about us - クルクメールについて
- our credo -
私たちが大切にしていること
あたたかく良質なプロダクト・サービスを通じてカンボジアのすばらしさを伝え、お客様と生産者の良き架け橋となります
でも、ただ製品を作るだけではありません
私たちは、ワクワクする新しいマーケットも創り続けます
生産者、従業員、お客様の様々な夢を紡ぐ。
それはカンボジアの黄金色のシルクを、丁寧にゆっくりと時間をかけて紡いで、素晴らしい完成品にする、そのような夢が叶っていく過程をつくります。
- history of krukhmer -
クルクメールの軌跡
はじまりと出会い
krukhmer botanical代表の篠田がカンボジアを初めて訪れたのは2004年の秋。道路は舗装されてなく、数少ないバイクが通るたびに土ぼこりが舞う静かな観光の街シェムリアップで、貧しさとは裏腹にキラキラした笑顔で幸せそうに暮らすカンボジアの人々にショックを受け、彼女は幸せとは何かを考えさせられました。
何度かカンボジアを訪れ、日に日に増える自動車や建物から経済成長を感じる反面、5,6歳くらいの小さな子供が朝から晩までゴミをあさり、日焼けで真っ黒になった肌を砂埃で真っ白にしながらも一生懸命に生きる姿を見て、カンボジアの貧しい人たちのために自分は何ができるのか、と考えるようになりました。
途上国支援をする学生団体で活動し、一方で社長のカバン持ちをしながら、ビジネスとは起業とは、を学ぶ学生時代を過ごす中で『一方的な支援ではなく、お互いが対等な立場で協力し合い、持続的にゆっくり成長する、地域に根ざした“収入=仕事”を創りたい』と思うようになりました。
そして2006年11月、一度決めた就職先の内定をお断りし、卒業と同時に“修行”のためにフェアトレードの先進国イギリスへ行くことに決めたのです。
"チュポン"との出会い
カンボジアへ再び戻ってきたのは、2008年2月。 パックに詰め込んだ荷物と、想いだけを持ってカンボジアで生活を始めて数ヶ月後のある日、出産したばかりの友人が「チュポン」と呼ばれる、カンボジアの薬草を使用したスチームサウナをしているところを目撃。実際に自分もやってみると、思った以上に汗が出てスッキリし、ハーブの香りになんと癒されたことか。しかも翌日、普段はなかなか起きられないのにとても目覚めのよい朝を迎えることができたのです。
すっかり薬草効果に魅了された私は、調査を開始、よくよく調べてみると、カンボジアにはアンコール王朝をはじめとするクメール帝国時代より伝わる、クメール伝統医療というものが人々の生活に息づいていることがわかってきました。偶然にも近くに住んでいた、シェムリアップで有名な伝統医寮の療法士<クル・クメール>を訪問、50年のキャリアをもつ彼に伝統医療を学び・・
それから月日が流れ、2009年春、クルクメールブランドの第一弾、カンボジアの薬草ハーブ”タナム・クマエのチュポン”を応用した、日本でも気軽に使える入浴剤、後のバスティーの第一弾サンプルが完成しました。
登記&採用活動、そして国内販売開始
登記のため、そして更に調査を進めるための首都プノンペンでの生活は、楽しいことだけではありませんでした。世界中どこでも大都市ほど治安が悪いと言いますが、カンボジアも例外ではありません。貧富の差が激しく、何千万円もする高級車が走っている横で、裸足でゴミ拾いをするストリートチルドレン。そんな彼らを虫けらのように扱う人たち。そんな光景を見るたびに、「当事者であるカンボジア人がこの問題を何も考えてないのに、私に一体何ができるのだろうか。」と自信を失う毎日。治安の悪い街独特のオーラを出すプノンペンでは、さまざまな怖い事件も起きました。
次にスタッフ探し。村までリクルートに行くと、人身売買の仲介人だと言われ信用してもらえず、やむを得ず親子で工房参観してもらい、最終的に4名の若いカンボジア人に働いてもらうことになりました。
タイ産、ベトナム産が「カンボジアのお土産」として売られている現状をなんとかするべく、新しいカンボジア産のおしゃれで洗練されたブランドになることを目標に、2009年10月より、製品の発売を開始しました。
直営店、オールドマーケット店オープン
製品を販売開始するも、浮かび上がるのは問題だらけ。「製品の中に髪の毛らしきものが入っていた」「ラベルが全然納品されない、お客様への納期に間に合うのか?」「売れ残って廃棄がたくさん」「閑散期に仕事がない、スタッフの給料どうしよう」 必死に続けるも自信を失う日々。もうダメかもしれない、自分には才能がないのかもしれない、このまま夢諦めて日本に帰ろうか、毎日毎日、考え悩み、独り涙が溢れる夜を過ごしました。
そんな中、卸していたお店で、お客様から「製品可愛いですね、とても好きです。お店は出さないのですか?ゆっくりお話聞けて、選べるお店があったらいいのに」と言われました。
「これが最後のチャンス、クルクメールの自慢の製品を、お客様ひとりひとりに説明できる場所が創りたい」そう意気込んだ私は、その4ヶ月後、タイ産ベトナム産に負けない、ホンモノのカンボジア産の素晴らしい製品を自信を持って販売する。値段交渉で疲れたお客様が、ホッとできる安心な空間とサービスを提供する。
以上を目標に、2012年5月、オールドマーケットの一角に念願の直営店をオープンさせました。
SPA KHMERの開業
直営店が軌道に乗り、次の目標は大切な時間とお金を使ってカンボジアへやってきたお客様に、心から満足してもらえる一生残る想い出を提供するために、カンボジア自慢の伝統ハーブのスチームサウナ、”タナム・クメールのチュポン”を試せる場所を創りたい。 クルクメールの誇れるスパ製品と、極上の施術と最高のサービス、そしてカンボジア伝統を心地よい空間で堪能できる場所を創りたい。 というものでした。
カンボジアの伝統的な高床式の家や素焼きのタイルを活かしたデザイン、南国の緑の中にプライベート空間を贅沢に味わってもらえる独立ビラ、外の自然感あふれるデザインとは対称的に内部はシンプルでモダンなデザインにするなど、「自然x人工、伝統xモダン」をコンセプトにシェムリアップで新進的なカンボジア人デザイナーと共に1年かけて創りました。
毎日現場に張り付いて工事の進捗を確認、職人さんたちと「あーでもないこーでもない」と言い合う日々は大変だったけれど、極上の空間を作る大切で楽しい時間でした。
カンボジアの伝統マッサージを一から研究し開発するため、日本人のプロのトレーナーに参画してもらい、セラピストの教育まで一貫して行いました。雇用創出のために雇った字が読み書きできないレベルの低学歴・貧困層出身のスタッフたちの教育は想像以上に大変で、半年も要したほど。
シャイで顔をあげて挨拶ができなかった女の子たちも、長く厳しい訓練を受け、今では世界に自慢できるプロのセラピストに育ち、構想5年、準備2年の紆余曲折を経て、2015年4月念願のスパ、スパクメールが開業したのです。
引き続き、私たちはカンボジアの素晴らしさを多くの人に伝えるべくさまざまな取り組みを行っています。
- message from CEO -
代表からのメッセージ
篠田 ちひろ
ハタチの時にカンボジアを初めて訪れてから15年以上が経過しました。
「私は井の中の蛙、世界をもっと見たい知りたい」が合言葉だった当時の自分には、カンボジアは不思議の国でした。
経済的な指標では貧しく、田舎に行けば農業以外に産業がないこの国で自分にできることはないだろうか、共に成長できるプラットフォームが作れないだろうかと強く想いました。
一方で、精神面な指標では日本人より豊かに、楽しく、幸せに毎日を過ごしているカンボジア人の生活をもっと多くの人に知ってもらいたい、この国の素晴らしさを製品とサービスを通じて伝えたい、とも思ったのです。
「カンボジアの印象が変わりました、好きになりました、いい旅でした」とお客様に喜んで頂けたとき、
貧困・戦争・地雷ではないカンボジアの誇れる文化や伝統が日の目を見たとき、
最初は自信がなく控えめだったスタッフが内側からあふれる自信を得て笑顔で挨拶し、成果を出せるようになった姿を見たとき、
やっと、クルクメールプロジェクトも一歩を踏み出し、小さな、でも素晴らしい成果を出せたのだと感じます。
2009年に当時25歳だった私が独りで始めたプロジェクトも、今では同じ志を持つ仲間にも恵まれました。
これから先も、高品質で心温まる製品とサービスを通じて、一人でも多くの方と関わり、人生の楽しいワンピースを共有したいと思います。
クルクメールプロジェクトを、これからも宜しくお願いいたします。